(8)何にても道具扱ふたびごとに 取る手は軽く置く手重かれ

茶道

何にても道具扱ふたびごとに 取る手は軽く置く手重かれ

意味

この一句は、茶の湯における道具の扱い方を通して、以下のような重要な精神性を教えてくれます。

道具への敬意: 茶の湯で用いる道具は、単なる物ではなく、亭主と客を結びつける大切な役割を果たす存在です。軽く取る、重く置くという所作には、道具一つひとつに対する深い敬意が込められています。

丁寧な所作: 無駄な力を加えず、一つ一つの動作を丁寧に行うことは、茶の湯の美しさの根幹をなすものです。この句は、そうした丁寧な所作を心がけることの重要性を示しています。

心の持ち方: 道具を軽く取る際には、肩の力を抜き、リラックスした状態で臨むことが大切です。一方、重く置く際には、集中力を高め、落ち着いた心で臨むことが求められます。この句は、道具の扱いに通して、心のあり方を説いているとも言えます。

侘びの精神: 簡素な道具であっても、心を込めて丁寧に扱うことで、その価値を高め、侘びの精神を体現することができます。

解説

何にても道具扱ふたびごとに (なににてもどうぐあつかうたびごとに)

「何にても」は、「どんな道具であっても」「どのような物であっても」という意味です。茶碗、茶杓、水指、釜など、茶の湯で用いる全ての道具を指します。

「道具扱ふたびごとに」は、「道具を取り扱う際にはいつも」という意味です。茶会の一連の所作の中で、道具に触れる全ての瞬間を指しています。

取る手は軽く (とるてはかるく)

「取る手は軽く」は、「道具を持ち上げたり、手に取ったりする際には、力を入れず、軽く、丁寧に」という意味です。これは、道具に対する敬意を表し、また、無駄な力を加えることなく、スムーズに所作を行うための心得です。

置く手重かれ (おくてはおもかれ)

「置く手重かれ」は、「道具を置く際には、軽く置くのではなく、重々しく、丁寧に、落ち着いて」という意味です。これは、道具を大切に扱う気持ちを示すとともに、音を立てたり、衝撃を与えたりしないように、注意深く行うことを意味します。また、置くという行為に、その道具への感謝や敬意を込めるという精神性も含まれています。

現代への教訓

この句は、茶の湯の世界だけでなく、日常生活においても通じる教訓を含んでいます。物を大切に扱う心、一つ一つの動作を丁寧に行うことの大切さ、そして、物事に対する心の持ち方など、私たちが日々の生活の中で意識すべきことを教えてくれます。

古典文法 ワンポイント

形容詞「重い」の命令形:

  • 現代語の形容詞には命令形はありませんが、古典語には存在します。
  • この和歌では、形容詞「重し(おもし)」の命令形「重かれ(おもかれ)」が使われています。形容詞の命令形は、「~くあれ」「~かれ」の形を取ります。ここでは「重い」の語幹「重(おも)」に命令の助動詞「かれ」が付いています。

びゅ~も と 和歌

この歌も直接教わったことがありません。どちらかというと次の歌の方が、なじみがあります。

この歌は、次の歌のに繋がるところがあると思います。

道具を恋人と見立てると「道具を取る=恋人と会う」と見ることができ、ウキウキな気分で足取りも軽やかに会いにいく。

逆に「置く手=道具から手が離れる=恋人と別れる」と見ることができ、寂しい気分で足取りが重く別れる。

と、感じました。

まとめ

この和歌は、茶の湯の心得を説いた利休百首の一句であり、千利休の教えとして伝えられています。その内容は、「どのような道具であっても、手に取る際には軽く、置く際には重く心を込めて扱うべきである」というものです。これは、茶碗や茶杓、水指、釜といった茶の湯で用いられる全ての道具に対して、敬意と感謝の念を持って接することの重要性を示唆しています。

軽く取るという所作には、道具への無用な負担を避け、丁寧かつ静かに扱う心構えが表れています。一方、重く置くという所作には、道具を大切に扱い、その存在を尊重する深い思いが込められています。この一連の動作を通して、亭主は道具への愛情を示すとともに、茶会という特別な空間における静謐さや調和を生み出すことを意図しているのです。

この句は、単に道具の扱い方を示すだけでなく、茶の湯の精神、ひいては日常生活におけるあらゆる事物への向き合い方にも通じる普遍的な教えと言えるでしょう。一つ一つの動作に心を込め、丁寧に行うことの大切さを、この短い和歌は教えてくれます。

rapで利休百首

Yo, Yo, 茶室に入れば静寂の中
道具を扱う それが美学 ✨

持つとき軽く 風のように 🌬️
置くとき重く 大地のように 🌍

雑にすれば 乱れる心 💔
所作にこそ 宿る美徳 ✨

一つ一つに 敬意を込め
茶の道極める それがマナー 🍵

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